A Taste of Music vol.102015 09

by ACOUSTIC REVIVE
image Contents

◎Featured Artist
 
MONSTER大陸

◎Recommended Albums
 
CHARLIE HADEN『Tokyo Adagio』
DAYME AROCENA『Nueva Era』
SONNY LANDRETH『Bound By The Blues』

◎Coming Soon
 
Peter Barakan's LIVE MAGIC! 2015

構成◎山本 昇

Introduction

 もうすっかり日本での暮らしが長い僕ですが、ここ数年は梅雨の時期に、生まれ故郷のロンドンへ帰省しています。今年は「LIVE MAGIC!」に出演してもらうミュージシャンのエージェントに会ったりと、仕事も兼ねて10日間ほど滞在してきたのですが、そのロンドンでたまたま僕が好きなメイヴィス・ステイプルズの公演があったので観てきました。ちなみに、彼女は今年2015年の4月に『Your Good Fortune』という4曲入りのEPを出しましたが、その中の「Fight」という曲ではヒップホップを取り上げていたりして驚かされたばかりです。

 会場はテムズ川の南側にあるクラパム・グランド(The Clapham Grand)という、古い建物の中にあってビクトリア王朝時代のような内装が施されたクラブでした。今年で76歳の彼女ですが、ステージではしっかり立って歌っているし、声もよく出ていて、まだまだ現役の人という感じです。バンドは、男女一人ずつのバック・ヴォーカルに、ギターとベイス、ドラムズというシンプルな編成でした。ステイプル・シンガーズ往年のヒット曲はもちろん、自身のソロや古いゴスペル曲に加え、80年代にステイプル・シンガーズがカヴァーしたトーキング・ヘッズの「スリパリー・ピープル」を歌うなど選曲の面白さもあり、観に来て良かったと思いました。

Featured Artist MONSTER大陸

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 今回の「A Taste of Music」は、東京・代官山のライヴハウス「晴れたら空に豆まいて」からお送りします。「晴れ豆」は、床を畳敷きにしてみたり、ケーブル類をオーディオ・グレードのものに変えてみたり、音の良さを追求するライヴハウスの一つです。いつもの音源試聴は、ここのPAシステムを使って行います。さて今日は、2014年の「LIVE MAGIC!」にも出演してくれた日本の若手ブルーズ・バンド「MONSTER大陸」から、藤倉嗣久さん(ヴォーカル、ギター)と千賀太郎さん(ヴォーカル、ハーモニカ)が遊びに来てくれました。今回の“Featured Artist”は、7月15日に新作『女どもへ』のハイレゾ配信、8月12日からCD発売する彼らに注目してみたいと思います。

PB MONSTER大陸の今度出るアルバムでは、録音にACOUSTIC REVIVEのケーブルやアクセサリーを使うなどシステムの細部にこだわったそうですね。ケーブルと言えば、僕自身もA Taste of Music Vol.6の「bar bonobo」で聴き比べた体験が思い出されます。あの時は、「同じシステムなのにケーブル1本でこんなに音が変わるの?」と、とてもびっくりしました。出来上がったCDを聴いてそう感じるわけだから、楽器を演奏したり録音したりする時も当然違いはあるのでしょうね。

藤倉 今年4月のレコーディングの途中に、ACOUSTIC REVIVEの電源ボックスがスタジオに届いたので使ってみたんですが、とても良くて驚きました。「何これ?」って感じで(笑)。だから、すでに録ったパートも録り直しました。これまでも、ギター・シールドとかは意識して選んでいましたが、電源でこれほど変わるとは思いませんでしたね。

千賀 ハーモニカでは、マイクで拾った音をアンプへ通すために、インピーダンスをローからハイに変換する機材を使うのですね。この変換器もACOUSTIC REVIVEのケーブルが付いたものを特注で作ってもらったんです。おかげで、太くて暖かい、とてもいい音を出せるようになりました。もちろん、マイク・ケーブルで音が変わることも実感しています。

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「ハーモニカ用マイクは、録音とライヴで、いろんなタイプを使い分けています」(千賀さん)

PB 僕がMONSTER大陸を最初に聴いたのは去年、InterFMのラジオ番組「BARAKAN MORNING」に寄せられたリクエストがきっかけでした。そして、InterFMの他の番組でのアクースティック・ライヴを観て気に入って、僕の番組にも出演してもらいました。実は太郎君のことは、すでに10年以上前に知っていました。確かブルーノート東京でトゥーツ・シールマンスの昼間のライヴを観ていたら、小学生の男の子がステージに上がって、トゥーツと一緒にハーモニカをとても上手に吹いていましたが、それが太郎君だったんです。そして、バンドでの演奏を初めて聴いたのは「Shimokitazawa Sound Cruising 2014」だったんだけど、あれはけたたましい音だったね(笑)。

千賀 その頃はまだ、ACOUSTIC REVIVEのマイク・ケーブルを使っていませんでしたから(笑)。

PB 去年の「LIVE MAGIC!」ではアコースティック・セットで出てもらったけれど、本当はバンドでやりたかったかな。さて、今日は新しいアルバムのハイレゾ音源を用意してくれたそうですね。早速、「妄想 the World」「でかいケツの女」の2曲を聴いてみます。うん、なかなかファンキーですね。録音はどのように行ったの?

藤倉 新大久保にあるフリーダム・スタジオでの録音で、今回も一発録りです。全ての電源ケーブル、電源ボックス、マイク・ケーブル、ライン・ケーブルをACOUSTIC REVIVEで統一して、ドラム、ベース、ハーモニカ、ギターが、それぞれのブースに入りながらも互いの顔が見えるように一発録音しました。その後で、アコギや別のギター・フレーズを重ねたいと思えばダビングするというのが僕らのレコーディングの基本的なやり方です。

PB いまやラップトップのパソコン一つで録音ができる時代ですが、そういう大きなスタジオで録った音はやっぱり違います。バンドの場合は特にそうでしょう。ところで、最近になって日本でもストリーミング・サービスがスタートするなど、このところ音楽の聴き方の変化が目立ちます。そのことについてはどう思いますか。

藤倉 単純に便利だなとは思います。ただ、音質を考えると……。ミュージシャンとして音楽は少しでもいい音で聴きたいし、リスナーの皆さんにもいい音で聴いてもらいたいですね。実はうちの家族はCDに移行するのがものすごく遅かったので、中学生くらいまでずっとアナログ・レコードを聴いて育ったんです(笑)。最近もいい真空管アンプやカートリッジを入手して聴いたりしていますが、やっぱりレコードの音はいいなと思います。リトル・フィートの『ラスト・レコード・アルバム』が好きなんですが、アナログでこれを聴くと演奏しているメンバーの表情まで見えるような気がして……。そういう空気感は大事だなと思うんです。

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「レコードはジャケットの手触りとかも含めて、物としても大好きなんですよ」(藤倉さん)

千賀 僕は今、外で音楽を聴くときはCDウォークマンを使っています。以前はMP3など圧縮系のプレーヤーも使っていたんですが、CDウォークマンにしてみたら音がぜんぜん違う。確かにたくさん曲が入るMP3プレーヤーは便利ですけどね。聞くところによるとジャマイカなどでレゲエやスカのDJはiPhoneを使っているとか(笑)。

藤倉 荷物も少なくて済むし(笑)。

PB まぁ、彼らは音質に対するこだわりはあまりなさそうだね。

千賀 レコードの空気感もいいのですが、CDだとレコードでは聴き取れなかったヴォーカルのブレスやギターのピッキングなど細かいところが鮮明に聴こえます。どっちにも良さがありますね。移動中にCDを入れ替えるのは面倒ですけど(笑)、買ったCDを帰りの電車ですぐに聴けるのは僕にとっては大きな利点です。

PB では最後に、今作の聴きどころを教えてください。

藤倉 『女どもへ』というアルバム・タイトルからわかるように、女性にエネルギーを向けて深いブルース・フィーリングで、男の本当の姿を赤裸々に表現した“おバカな俺らの生きる道”を前面に出してます。今回はメンバー4人全員が曲を書いたんですが、“型にはまりきらない”曲たちばかりで、それぞれの個性が今まで以上に出ているアルバムになりました。そんな男の本当の姿をぜひ聴いてほしいですね。

千賀 『このアルバムには、ライヴでは体験できないものもちゃんと収められています。もちろん、僕らはライヴでの勢いには自信を持っていて、ステージでもいいものをお届けすることは約束しますが、アルバムにはここでしか体験できないサウンドや世界がありますから、両方を楽しんでください。

PB わかりました。MONSTER大陸は9月から25カ所を回るツアーが始まりますね。今日は来てくれてありがとう。

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ニュー・アルバム『女どもへ』を24bit/88.2kHz(WAV)のハイレゾ(OTOTOYにて配信中)で試聴!

Recommended Alubums Charile Haden 『Tokyo Adagio』

 僕がお勧めするレコードを紹介するこのコーナー、1枚目はチャーリー・ヘイデンの『トーキョー・アダージョ~ライヴ・アット・ブルーノート東京』です。2005年、ブルーノート東京でゴンサロ・ルバルカバを迎えて行われたステージをライヴ録音したものです。この公演は3月16日から19日まで行われましたが、僕もこのライヴは観ています。2014年に亡くなったチャーリー・ヘイデンはその晩年、子供の頃に罹ったポリオの後遺症に悩まされ、一時は演奏活動を続けられなくなったこともあったそうですが、このデュエットではとてもリラックスして弾いていたと記憶しています。

 チャーリー・ヘイデンは元々、デュエットでの録音を好むベイシストでもありました。相手のゴンサロ・ルバルカバは、チャーリー・ヘイデンに発掘されたと言っていいジャズ・ピアニストです。1986年に、ハバナで開催されたジャズ・フェスティヴァルで彼を見出したチャーリー・ヘイデンは即セッションを申し出て、そのテープをブルーノートの社長、ブルース・ランドヴァルに聴かせるなどして世界的なデビューを後押ししました。そんな二人のデュエットは、ともすれば眠くなってしまうくらい心地よいライヴでした。タイトルにある“Adagio”は、確かチャーリー・ヘイデン自身が選んだ言葉で、“緩やかな演奏速度”を示す音楽記号でもありますが、静かで、とてもゆったりとした演奏が印象的です。まさか録っているとは思いませんでしたが、すごくいいアルバムです。家でご飯を食べながら聴いても気持ちいいですよ(笑)。もちろん、しっかり向き合って聴いても十分に聴き応えのあるアルバムですが、こういう演奏はBGMにもできます。家のリヴィングでそうする分には、ミュージシャンに対して失礼にはならないでしょう(笑)。

 ベイシストとしての彼に対する印象は、とにかく音がいいということ。木の音を鳴らすことができるベイシストなんですね。打楽器的に弾くのではなく、とても丸みのある音を出す人です。そして、こういうデュエットをよく聴くと、相手の演奏を上手く支えながらも時に刺激するような、ちょっと変わったハーモニーを入れてみたりしている。すごく面白いミュージシャンであることがわかります。

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『Tokyo Adagio』

Recommended Alubums Dayme Arocena 『Nueva Era』

 次は「LIVE MAGIC!」にも出演してくれるキューバ出身の女性シンガー、ダイメ・アロセナのデビュー・アルバム『ヌエバ・エラ』を紹介します。もう5~6年前でしょうか、イギリスのDJ、ジャイルズ・ピーターソンらがキューバを特集した企画アルバムを作るためにハバナを訪れた際に彼女の歌を聴いて、一発で打ちのめされたらしいですね。その時、ダイメはまだ10代だったそうです。学校ではクラシックを学んでもいたけれどジャズも好き、一方でキューバの伝統的な音楽にも詳しかったそうです。だから、すでにいろんなところから引き合いがあったらしいのですが、とりあえずはジャイルズのレーベルと契約することになり、出来上がったのがこのアルバムです。

 本作は、どちらかというとジャズということになるでしょうか。ただし、純然たるジャズ・ヴォーカル作品と言えるかというとそうでもなくて、キューバのパーカッションが強く絡んでくる曲が多く、また、ヒップホップの要素もみられます。ここでアルバムからシングル扱いの「Don't Unplug My Body」を聴いてみたいと思いますが、この曲は今の若い人たちもすんなり聴いてもらえるような音作りになっています。ほとんどの曲でプロデュースを務めているのがシンバッド(Simbad)というDJ / ミュージシャンで、ジャイルズの音楽仲間です。だから、参加ミュージシャンはキューバとイギリスの両方から集められていますね。現在23歳の彼女は、今後も相当伸びていく歌手の一人だと思います。「LIVE MAGIC!」ではその堂々たる歌いっぷりに、ぜひ注目してみてください。

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『Nueva Era』

Recommended Alubums Sonny Landreth 『Bound By The Blues』

 もう1枚はスライド・ギターの名手、サニー・ランドレスの新作『バウンド・バイ・ザ・ブルーズ』で、こちらも7月に出たばかりのアルバムです。最近はいろんなタイプの曲を書いていた彼ですが、今回は自身のルーツであるブルーズに回帰していて、収録10曲のうち半分はブルーズの有名曲のカヴァーとなっています。とにかく独特のギターを弾く人で、他のスライド・ギター奏者とは明らかに違う。右手はサム・ピックを使用しつつフィンガー・ピッキングも行い、左手はボトルネックを使いながら他の指でフレッティングもするんですよ。本当にユニークな音を持っている人です。僕は「ターボ付き」という言い方をしていますが(笑)、音が大きくてパワーを感じさせるスライド・ギタリストですね。

 僕が初めて彼の演奏をライヴで観たのは、1988年に初来日公演を行ったジョン・ハイアットのバックとして参加していた時でした。あのすごいスライドの弾き方にびっくりして「あのギタリストは誰だ」と、観た人はみんな話題にしていましたね。ここ数年はエリック・クラプトンの“クロスロード・ギター・フェスティヴァル”にも自分のトリオでほぼ毎回、それもオープニングに登場しています。クラプトンも彼のことが大好きで、だいたい1曲か2曲は飛び入りして一緒に演奏しています。歌声も良く、いい曲を書いてギターも抜群に上手い。悪いところが何もないという(笑)、僕も大好きなミュージシャンです。今回のアルバムはブルーズ好きなら100%お勧めできます。

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『Bound By The Blues』

Coming Soon

 去年に引き続き、今年も「LIVE MAGIC!」を開催することになりました。この催しは、僕は基本的にルーツ・ミュージックの祭典として企画しています。そして、今回は英語圏だけじゃなく、さまざまな地域からミュージシャンを呼んでいます。先ほどご紹介したキューバのダイメ・アロセナの他にも、オーストラリアのアボリジニのシンガー・ソングライターでグルムル(Gurrumul)という人が来ますが、彼もまたとっても美しい声の持ち主です。目が見えなくて、左利きなのですが右利き用のギターを弾きながら歌います。その歌声にはなんというか……、癒しというと安っぽく聞こえてしまうけれど、聴く人の心をきれいにさせる何かがあると思います。オーストラリアでアルバムを出したのは7年くらい前のことで、日本でもようやくそのアルバムが今年になって発売されました。日本ではほとんど知られていませんが、世界的にはエリザベス女王やオバマ大統領の前で歌ったりして注目されている人です。言葉を越えて多くの人の心に響く音楽を、少しでも多くの日本のリスナーに聴いてほしいですね。

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Dayme Arocena

 非英語圏からもう一人、モンゴルのシンガー・ソングライターのデリヒ(徳楽黒)を呼びました。彼はホーミーで歌いながらモンゴルのさまざまな民族楽器--馬頭琴などの弦楽器や笛、太鼓などを演奏しますが、今回は一人で来る予定なのでどんなステージになるのか、今から楽しみです。

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Gurrumul

 アメリカからやって来るアーティストで注目してほしいのが、アイム・ウィズ・ハー(I'm With Her)。それぞれ独立したシンガー・ソングライターとして活動している、セーラ・ウォッキンズ、セーラ・ジャローズ、イーファ・オードノヴァンによるグループです。フォークやカントリーなど、いわゆるアメリカーナ的な音楽をやっている人たちですけど、3人が一緒になった時のハーモニーがいいんです。グループとしてはスタートしたばかりだから、まだCDも出ていませんが、とてもいい印象を与える音楽を披露してくれると思います。

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I'm With Her

 日本からはTin Pan(細野晴臣、鈴木茂、林立夫)が参加してくれます。このメンバーが、誰かのバックでなく、単独でライヴをやるのはとても珍しいですね。彼らには、実はリトル・フィートのギタリストであるポール・バレアとフレッド・タケットと共演してもらう予定だったんですが、残念ながらポール・バレアが病気のため来られなくなってしまいました。そこでTin Pan単独での出演をお願いしたら、快くOKしてくれたんです。こちらもすごく楽しみですね。

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Tin Pan

 去年からのリピーターでは、濱口祐自やRei、そしてニューオーリンズの3人組みファンク・バンド、ブークー・グルーヴ(Boukou Groove)も出演します。ブークー・グルーヴは、去年の段階ではほとんど知られていませんでしたが、「LIVE MAGIC!」で初めて観て好きになったという人が多かったので、ぜひもう一度来てほしいと思いました。彼らの新しいアルバムも10月までには出るはずです。ちなみにギタリストのビッグDは今、アメリカの音楽界でも相当注目されているようです。

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Boukou Groove

 今回も会場は恵比寿ガーデンプレイスのザ・ガーデンホールとザ・ガーデンルームです。前回はタイム・テーブルを“ホール”と“ルーム”で交互に組んで、できるだけ多くのステージを観られるようにしたんですが、収容人数の少ないルームのほうでお客さんがあふれてしまうということがありました。そこで今回は、意図的に時間がかぶるようにしました。ただ、出演者のうち半数くらいは2日とも出ますので、ぜひ両日にわたって楽しんでください。また、今回も僕の『ザ・ポッパーズMTV』の再現コーナーも設ける予定ですので、こちらもぜひお楽しみに!

徳楽黒(デリヒ)

徳楽黒(デリヒ)

濱口祐自

濱口祐自

Rei

Rei

PB's Sound Impression

 この8月で“9周年”を迎える「晴れたら空に豆まいて」は“都内トップ・クラスの音響”を標榜する、音楽ファン期待のライヴハウス。今回、A Taste of Musicでのお勧め音源をここのPAシステムで試聴したバラカンさんは、次のようにコメントしてくれました。

 「畳敷きだったことも関係しているかもしれませんが、ライヴハウスの音響というよりも、高級オーディオに近いような印象を持ちました。ヴォリームを大きめにしてもあまりうるさくならないのがよかったです。ここではつい最近も、小坂忠さんのバースデイ・ライヴを観たり、鮎川誠さんと一緒にイヴェントを行ったりしましたが、すごくいい音で楽しめました」

 また、バラカンさんには、前回の「bar bonobo」での聴き比べに引き続き、ミキシング・コンソールからメイン・スピーカー用のアンプ(舞台下手に設置)に接続される左右それぞれ約20mのライン・ケーブルを、従来の普及タイプのものからACOUSTIC REVIVEの製品に付け替えることにより、音がどう変わるかを体験してもらいました。ダイメ・アロセナ『ヌエバ・エラ』の日本盤ボーナス・トラック「Cry Me A River」による聴き比べの感想は?

「元のケーブルも悪くないと思いましたが、つなげ変えて聴いてみると違いがよくわかります。やはり、いいケーブルを使うと臨場感が増した気がしました。ほとんどパーカッションと歌だけの曲でしたが、コンガなんか本当に目の前で叩いているような迫力がありましたね。興味を持った人はぜひ聴きに来てください」

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舞台下手に設置されているアンプ・ラック。目には見えないところでACOUSTIC REVIVEのライン・ケーブルや電源ケーブルなどがその良好な音質をサポート

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「晴れ豆」のメイン・スピーカーはMEYER SOUND Ultra series UPA-1A(上)。下は同シリーズのサブ・ウーファーUSW-1

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プログラムによって、畳敷きにもできる客席の床。定在波を抑えるなどほどよい吸音効果が得られるという

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CDやハイレゾの音にじっくり聴き入るバラカンさん

◎今回のリスニング・システム

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スピーカー:MEYER SOUND Ultra series UPA-1A、SW-1
アンプ:AMCRON XLS602
ミキシング・コンソール:SOUND CRAFT MH2/24
DJミキサー:PIONEER DJM-600
オーディオ・インターフェース:RME Babyface
CDプレーヤー:TASCAM CD-500

取材協力◎ライヴハウス「晴れたら空に豆まいて
東急東横線「代官山」駅・正面口より徒歩30秒!
東京都渋谷区代官山町20-20 モンシェリー代官山B2